本圏域の地理的環境は、県都徳島市から20km圏内にあり、中央部を四国最大の河川・吉野川が西から東に流れ、吉野川に沿って広がる平地部と、北に阿讃山脈、南に四国山地という両山脈からなる山地部から構成されています。 中央部の平地部は、吉野川のたび重なる洪水によって次第に堆積作用が進み、平坦化されたものです。 また、山地部のうち、北部地域は阿讃山脈南麓にあたり、吉野川の支流の織りなす扇状地が発達し、ゆるやかな起伏地となっています。南部地域は、標高1,133mの高越山を頂点にして吉野川支流がつくった急峻な峡谷台地が連なっています。
本圏域の交通体系は、明石海峡大橋、東西に走る四国縦貫自動車道を通って京阪神諸都市から2時間圏にあるとともに、四国を南北に貫く国道の結節点にも位置する東四国の拠点であり、広範囲な交流が可能な地域といえます。
東西交通軸としては、吉野川北岸を徳島市~川之江市間を結ぶ四国縦貫自動車道、主要地方道鳴門池田線、吉野川南岸を吉野川に沿って徳島~阿波池田間を結ぶJR徳島本線、国道192号が走り、本圏域の南側には四国山地に沿って徳島市より剣山に通じ、国道193号と接続する国道439号が通っています。
南北交通軸としては、吉野川市から阿波中央橋を通って土成IC、鵜の田尾トンネルを経て香川県の四国横断自動車道と結ぶ国道318号、神山町から吉野川市、脇町ICを通って高松空港とを結ぶ国道193号が通っています。
本圏域の経緯は、昭和45年に「徳島県中央地区広域市町村圏振興協議会」として発足し、中央地区広域市町村圏(当初は、吉野町・土成町・市場町・阿波町・鴨島町・川島町・山川町・美郷村が参画。現在は、阿波市・吉野川市で構成されている。)の指定を受け、策定した中央地区広域市町村圏計画を推進することで、圏域の一体的な発展を図ってきました。
平成9年2月には、ふるさと市町村圏の選定に伴い、関係町村の出資及び県の助成により5億円のふるさと市町村圏基金を造成するとともに、圏域の地域特性を活かしながら総合的かつ重点的な地域づくりを進めるため、新たに中央地区ふるさと市町村圏計画を策定しました。
平成9年2月にふるさと市町村圏基金の管理母体として「徳島中央広域連合」に改組した後、平成11年5月には介護認定審査会の設置及び運営に関する事務の受入れ、平成14年4月には阿北消防組合の編入による広域的事務の統合、平成18年5月には障害者自立支援審査会の設置及び運営に関する事務の受入れを行うことで、地域主権及び地方自立の時代に対応した広域行政機構の体制強化を図ってきました。
徳島県が圏域を設定し、行政機能の分担などを推進してきた国の広域行政圏施策が、当初の役割を果たしたとして平成21年3月31日に廃止され関係市の自主的な協議により、次期ふるさと市町村圏計画の策定は行わないこととしましたが、ふるさと市町村圏基金については、基金の名称を中央地区広域振興基金に変更し、広域連合の区域における広域行政の推進に関する事業に活用することとして取組を継続していました。
しかし、基金運用益の減少により振興事業を実施するための財源確保が困難であること、これまで実施してきた振興事業については、基金の設置目的を概ね果たしてきたことから、令和3年3月31日をもって、中央地区広域振興基金を廃止いたしました。
今後の本圏域の課題、方針及び施策は、これまで町村合併や少子高齢化社会など、当広域連合を取り巻く環境や経済状況等も大きく変化してきましたが、広域行政の推進は、関係市の自主的な協議に基づき、より密な連携のもとで広く情報を共有し、同じ目的意識のもとで、信頼と協調を基調とした取組が求められています。
多様化し高度化する住民ニーズに的確に対応し、広域行政を円滑かつ活力ある圏域づくりを推進するため、関係市との連携と協調を深め、その果たすべき役割を適正に分担しながら、圏域の一体的な発展を目指します。